麦味噌は米味噌、豆味噌と三つに分類される味噌の中の一つです。
全国的に見て一般的な味噌は米味噌ですが、
九州全域・山口県・愛媛県で主に消費されているのがこの麦味噌です。
塩分が低く、麹を使う量が多いので、香りも甘みも強い味噌です。
味噌はバランスの取れた高い栄養価の他に、たくさんの効能があります。
ガンの予防、血圧低下、老化防止・抗酸化作用、美白効果、血中のコレステロールの低下、
整腸作用、消化促進、脳の新陳代謝促進、ピロリ菌抑制、放射線障害の軽減などなど。
そして麦味噌は米味噌と比べて、食物繊維、
うまみ成分になってくれるグルタミン酸も多く含まれています。
カリウムやビタミンB1、B2は2倍も含まれており、
日本人に不足気味だと言われるカルシウムや
鉄にいたっては米味噌の3倍もあります。
【麦味噌に含まれる各要素の効能】
・食物繊維:糖尿病や心筋梗塞などの予防
・グルタミン酸:脳・神経系統の疾患予防
・カルシウム:骨粗鬆症の予防、高血圧や動脈硬化の予防、イライラの解消
・鉄:貧血予防
・カリウム:尿酸の排泄を促し、尿酸値を下げる
・ビタミンB1:疲労回復、ダイエット
・ビタミンB2:口内炎を予防・改善、ダイエット
原材料の麦・塩は香川県産、大豆は富山県産を使用。防腐剤・人口甘味料など添加物は使用しておりません。
味噌の味は麹の出来にかかっています。
きれいな花※がついた麦麹が色香と風味の決め手となります。
(※花・・・蒸し麦が菌糸に包まれている状態)
当店の「室(むろ)」(麹を育てる部屋)は余分な湿気を吸収して麹にと
って安定した状態をつくりやすい木で造られています。
麹を熟成させるもろぶた(木の箱)は60cm×38cm×高さ8cmの大きさです。
一度に100箱分の麦麹をつくります。木の繊維の中には麹菌が住んでいるので、もろぶたは壊れても修理して使い続けます。
そして出来た麦麹と塩と大豆を木桶に仕込みます。木桶だと麹菌が呼吸しやすい
最適な環境です。通常、発酵・熟成の際には、微生物の発酵作用を促すために人
為的に加温などの温度調整をします。
それに対して当店では自然の成り行きに任せて発酵・熟成させます(天然醸造)。
四季折々の気候に合わせて出来た麦味噌は麹菌の都合によって完成されます。
我々人間がするのは下ごしらえだけ。本番の醸造場は木桶の中です。
無駄にみえるこの時間を百も承知で
私たちは慌てず騒がずただ待つだけです。